兜は練革錆色漆塗二十四間厳星兜。眉指吹返は絵革張り、金銅魚子地唐草毛彫覆輪を廻らす。丸に抱き柊の金銅据紋を打つ。鉄黒漆塗切付小札五段日根野しころを紺糸毛引威とする。
面具は練革錆色塗烈勢面。鉄黒漆塗切付小札五段の垂れを紺糸毛引威とする。
胴は鉄黒漆塗切付小札二枚胴を紺糸毛引威とする。合当理を設け受筒を備える。草摺は練革黒漆塗切付小札七間五段下りを紺糸毛引威とする。鉄黒漆塗切付小札七段当世袖を紺糸毛引威とする。
三具は鉄錆地篠籠手、鉄錆地伊予佩楯、鉄錆地篠脛当からなる。ともに緞子の家地一作。籠手は明珍義保作と伝わる。丸に抱き柊紋を金で描いた一荷櫃付。
本具足は嘉永元年四月二十四日に京都伏見両替町の岩井平兵エより購入したとの記録がある貴重な資料。家地にほつれはあるものの、欠品などなく状態が良い。